親愛なる魔王の君へ#2~召喚されたので、魔王の側近になります!~
ルーチェさんの言葉に、ギルバートさんは何も言わなくなる。

「……えっと、つまり……君は転生者で、前世が望月光だった……ってこと?」

「そういうこと。あ、そうだ……自己紹介しないと。僕は、大魔導師のルーチェ・クロウディア。18歳です」

優しく微笑んで、ルーチェさんは自己紹介をした。18歳……僕と同い年か。

「それで、ルーチェ。昨日の件なんだが」

静かに話を聞いていたギルバートさんが口を挟む。

「はい。手紙の内容が気になったので、手紙を読んだ後、図書館に行って調べてみました。これは、あくまで僕の推測なんですが……恐らく、雨琉さんは“召喚された”んだと思います」

「召喚?」

僕とギルバートさんの声が重なった。ルーチェさんは、そんな僕らを見て小さく頷く。

「……禁術って知ってます?」

「あぁ。遠い昔、使えないように封印された魔法のことを差す言葉だよな?確か」

ギルバートさんの説明に、ルーチェさんは頷いた。

「その禁術の1つに、召喚魔法と呼ばれる魔法があったそうです」

……召喚魔法……異世界から人を召喚する魔法……かな?

「異世界から人を召喚する魔法が、召喚魔法です。かつて、破壊神を止めるために作られた魔法みたいです」
< 8 / 51 >

この作品をシェア

pagetop