君のスガタ
 こんな自分を自分らしくしていいんだって思わせてくれた人だから。

「…こんな自分でいいんですか?」

 柚は泣いていた。

「そのままの柚がいいんだよ」

俺は柚の手を取った。

 その小さい手は俺の手を力強く握りしめて、見つめあった。

 お互いの頭をコツンと置いて、笑いあった。

 一方、柚の方は…

「話をきいてほしい」

 松永先輩はそう言って、自分の話をし始めた。

 恋愛自体があまり好きではないのは知っていた。

ただ松永先輩がどんな理由があるのかと思っていた。

 けど、きちんとした理由があるとは思わなかったんだ。

 松永先輩にとって、恋愛の好きが怖くなっていたんだ。

 元カノは松永先輩が言った好きに対して、不安などのマイナスな感情があったことを知った。

 それ以来、恋愛の「好き」にならないようにしていた。

 めぐみから聞いた噂話。

 中学時代、親友を殴ったことは本当だった。

 それにも、親友とわだかまりが生じて、関係性を構築できなかった。

 親友が松永先輩に憧れていたんだ。

 あまりに勉強もスポーツも完璧すぎるほど完璧で。しかも、彼女まで出来たら、嫉妬を通り越して罵りたくなるだろう。
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