君のスガタ
 きよしは無表情になんともない様子だった。

 え? なんできよし何も言わないの。

 私はきよしの方をずっと見ていた時、きよしは少しだけ口角を上げていた。

 幻を見たのか、きよしが笑った?

「…男子はこの二人でいいね」

 女子委員長は男子二人の意見を聞いて、王子役を任せた。

「おい、俺はやるとは言ってないんだけど」

 堺は女子委員長に反発したが、女子委員長は冷たい目で訴える。

 それを見た堺はなにも言わず、咳ばらいをしていた。

「じゃあめぐみと柚もシンデレラ役でいい?」

「いや…私は…」

 そう言いかけようとすると、めぐみは堂々と手をあげて、やりますとウキウキした表情で言う。

 やらないと言っていたのに、やるというめぐみに目を丸くした。

「めぐみ。なんで?」

「きよしが王子役やるのは気に食わないけど。だって、堺くんが王子役やるんでしょ。面白そうじゃない」

 めぐみは晴天のような目で私に言ってくる。

「……そう」

 私は返事をして、苦笑いを浮かべた。

 めぐみ。もしかして、堺くんのこと好きなのか。去年も同じようなことがあり、今の様に輝いた目をしていた。
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