浮気されて振られたが、ハーフイケメン外科医に溺愛されています。
 彼女の明るい声が鳴り響く。

「いや、ですが……まだそうなるとは決まった訳では」

『何を言っているの。そうなるんじゃなくて、そうさせるのよ。酔ったふりして……いや、一層相手を酔わせて家に連れ込みなさい。ベッドに押し倒すのよ』

 キッパリと言い切る和田先生は、相変わらず性格がサバサバしている。

「連れ込むって……」

『あ、でも、彼女が居ないか、ちゃんと確かめなさいよ? 結婚しているのかも。あの、アホ男や大沼だっけ? みたいな事にならないように。あ、そうだ。代わりにガツンと言っておいたから』

「えっ? ガツンと?」

『じゃあ、健闘を祈っているわね? いい? 女は度胸よ。じゃあ、またね~』

 そう言いながら一方的に通話を切られてしまった。謎の言葉を残して。
 緋色は意味が分からず、ボー然と突っ立っていた、すると、滝川先生が探しに来てくれた。

「あ、居た、居た。仕事が終わったので行きましょうか?」

「は、はい」

 噂の彼が来たので緋色の心臓はドキドキしっぱなしだった。
 滝川先生に連れられて職員用の駐車場まで行く。自分も車の出勤だったが、帰りはここまで送ってくれる事になったので、滝川先生の車で行く事に。
 よく考えたら2人共、運転するからお酒が飲めないじゃない。酔わすとかの問題ではない。
 ちょっと残念な気持ちになるのは和田先生と由美香のせいだろう。
 そう思いながら車に乗り込んだ。黒色の外国車のベンツ。中もお洒落。
 チラッと隣りの運転席に居る滝川先生を見ると横顔すら様になっていてカッコいい。まるで映画のワンシーンを見ているようだった。
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