浮気されて振られたが、ハーフイケメン外科医に溺愛されています。
「滝川先生は、たまにこういうところに来たりするんですか? その~女性の方と」

 緋色は恐る恐る聞いてみた。
 丁度スタッフはオレンジジュースを持ってきてくれた。滝川先生は、それを確認しながらハハッと苦笑いしていた。

「実は女性とこういう場所に行く機会ってないんですよね。食事会とかぐらいで」

「えっ? そうなんですか?」

 それは意外。緋色は驚いてしまった。

「お恥ずかしながら、アメリカでは研究や仕事にひたすら没頭していまして。気づいたら婚期を逃がしていたんです。周りの同期は早々と近くの看護師や交際していた子と結婚しちゃうし。周りは既婚者かパートナーありで。彼女すら居ないのは僕だけ」

 頭をかきながら申し訳なさそうに話すと彼を見て、こちらもクスッと笑ってしまう。
 こんなに優秀でイケメンなのに、彼女は居ない理由はそれが原因らしい。真面目さと誠実さが出ている気がした。

「でも……今回は日本の大学病院に来て良かったかも」

「えっ?」

「だって……こんな素敵な女性と出会えたんだ。もしかして、やっと運気が回ってきたのかもしれない」

 そう言いながら、緋色の手に自分の手を重ねる滝川先生。えっ!?
 思わない行動をされたので、恥ずかしさのあまり目線を少し逸らした。

「そ、そんな、私なんか……素敵でもないし」

「そんな事ないですよ。素敵です。いつも一生懸命で、皆に明るい笑顔を向けてくれて。僕は、そんな北澤さんが……いいなと思います」

「滝川……先生」

 目線を滝川先生に戻すと頬を少し赤く染めながらも、真剣な表情で緋色を見つめてきた。その美しく吸い込まれそうな碧眼に心臓の鼓動は速くなっていく。
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