浮気されて振られたが、ハーフイケメン外科医に溺愛されています。
 本当は名残惜しいところだけど、それを言ったら和田先生の言葉の通りになってしまう。がっついているとは思われたくない。
 緋色は気持ちを押さえてシートベルトを外して助手席のドアを開けようとした。すると、滝川先生が手を掴んでそれを止められる。えっ?
 そのまま抱き締められてしまった。

「あ、あの……」

「初めての食事に、こういう事を言うと、がっついているみたいで嫌なんですけど。僕は北澤さんの事が好きです。だから、これからお付き合いとして接してもいいですか?」

 彼から思いがけない告白をされた。緋色の心はドキドキして嬉しいと思う自分が居た。本当に自分でいいのだろうか?

「いいのですか? 私で。最近まで彼氏に浮気されて振られたばかりで」

「振られて落ち込んでいる事は北澤先生から聞きました。こんな素敵な女性を振るとは信じられません。僕なら絶対に振らないし大切にします」

 真剣な表情で言う滝川先生を見て、何だか心の中がポカポカとあたたかい気持ちになっていく。彼の情熱的なアプローチをされたからだろうか?

「あの……よろしくお願いします」

 緋色は恥かしながらも、そう答えた。滝川先生は、返事を聞くと嬉しそうに笑い、そのまま抱き締め続ける。

「あ、……んっ」

 何とか話してもらおうとしたが、今度は唇と塞がれてしまった。驚きのあまり身体が硬直してしまう。
 彼はそれをいい事に、何度もキスを重ねてくる。いつの間にか、ドアと滝川先生の間に挟まれてすっかり甘いムードに。
 身体はすっかり火照ってしまい、滝川先生の首に手を回しながら、それに応えている自分に気づいた。滝川先生は、夢中になりながらキスを続けてくる。
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