別れてママになったのに、一途な凄腕パイロットは永久溺愛で離してくれません
 言い切ったお義母さんに川嶋さんの父親は食い下がる。

「失礼ながらそれはあなただけで判断することではないのでは? ひとまず淳史さんと話をさせてもらえませんか」

「淳史さんも私と同じ意見です。お会いするつもりはありません。シャッツィは長男に任せていますから、会社としての付き合いはそちらの判断に委ねます」

 続けてお義母さんの視線は多恵さんに注がれた。

「あなたのしたことは、許されるものじゃないわ。嘘を重ねて、人を侮辱して……。息子夫婦の代わりに私が謝罪を要求したいくらい。でも、もう結構です」

 こともなげに言った後、お義母さんはお手伝いさんに目配せした。帰りを促され、多恵さんの父親は絶望した顔でおとなしく従う。それを泣きそうになっている多恵さんが足早に追いかけた。

 静かになったリビングで私はまだ現実についていけずにいた。

「なん、で?」

 なにに対する問いかけなのか自分でもわからない。混乱する私に綾人は凌空を抱っこしながら話し出す。

「可南子が俺と別れる時に結婚すると言っていた相手のことがずっと気になっていたんだ。疑ったわけじゃないけれど、可南子が最初から凌空を俺の子どもだって確信していたし、あまりにも存在感がなさすぎて……。そんな時、可南子のお姉さんから事情を聞いた」

「お姉ちゃんから?」

 綾人いわく、凌空の産前産後で私がお世話になったこともあり、姉にも挨拶をしておこうと両親に連絡先を聞いて電話をしたらしい。
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