別れてママになったのに、一途な凄腕パイロットは永久溺愛で離してくれません
 そこで姉から、当時の私が結婚しようとした時の経緯などを聞いたそうだ。両親には口止めしていたが、姉には言っていなかった。

「大林さんをいろいろ調べていくうちに、川嶋多恵に行き当たった。もともと彼女とは疎遠だったが、可南子から別れる時に接触してきた件を聞いて、はっきりと縁を切ろうと思ったんだ。でも話してわかる相手じゃないのもわかっていたから、きっぱりと縁を切るために、いろいろ調べて向こうが拒めないよう改めて証拠をそろえていた。家や会社の繋がりがあったから、その前にと両親には伝えていたんだが……」

 綾人が先ほど出してきた封筒はそういうことだったらしい。

「綾人から川嶋さんと今後一切の縁を切って接触を断ちたいって話があってね。まさか彼女があそこまで綾人に執着して、可南子さんにひどいことをしていたなんて知らなかったわ。彼女から、綾人の恋人はどんな女性なのかって聞かれたとき、綾人から聞いた印象をそのまま答えたりしていたの。けっして可南子さんを悪く言ったことはないけれど……。でも言い訳よね、ごめんなさい」

「い、いいえ!」

 お義母さんに謝ってもらうことはひとつもない。

「私の方こそ、ごめんなさい」

「ごめんなしゃい」

 私の真似をしてなのか、綾人に抱っこされている凌空まで謝罪の言葉を口にした。

 全員の視線が凌空に集中し、綾人が苦笑して凌空に言い聞かせる。

「謝らなくていい。凌空はなにも悪くない。もちろんお母さんもだ」

 ふたりのやり取りを見て、切なさで胸がいっぱいになった。
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