策略に堕ちた私
 息も絶え絶えの私の頭を撫でると、社長は起き上がった。
 そして、シャワーを浴びて戻ってきた。
 ベッドに座ると、また、頭を撫でてきた。

「ごめん、ついやりすぎた。大丈夫?」
「……はい」
「午後からドライブにでも行く?」

 その日が休みであることを思い出した。
 ドライブとな?

「何でですか?」
「ご馳走するよ。鎌倉のA5和牛ステーキ」
「行きます! A5和牛ステーキ! ………でも、何でですか?」
「何が?」
「何でおごってくれるんですか?」
「何となく?」

 あ、これは、ヤることヤッたあとのお金、の替わりだ。
 さすが、社長、スマートだわ。これなら、まごころを感じるわ。
 だから、これまで背中を刺されずに来たのね。
 でも、どっちかって言うと支払う(・・・)は私の方よね。
 でも、社長の分まで払うのも気が引けるし。

「では、折半でお願いします。昨夜は私も楽しみましたし」
「了解」
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