御曹司は不遇な彼女に本物の愛を注ぐ
◇◇◇

「隼人さん、お待たせしました」

「可愛いな。紫音、その水着似合ってるぞ」

「っ……」


メイドさんたちにはビキニを勧められたけど、私には大人っぽすぎるとワンピースにしてもらった。背中は見られると嫌だからパーカーを着て前だけ開けていた。


「紫音は泳げるか?」

「恥ずかしい話なんですけど、誰かとこうしてプールに来る自体初めてで……」


「なら紫音の初めては俺が奪ったのか」

「……!」


「言い方が悪かったな。だけど、そっちの初めても俺は紫音としたいと思ってるぞ」

「ううっ……」


今の言葉、心臓に悪すぎる。冗談だったとしても私には刺激が強い。


そりゃあ隼人さんも三十過ぎてるし、私もそれなりの年齢ではあるけれど、そういうことするにはまだ早くない?そんなことないのかな?


公孝とも大人の階段を登ることはしなかったから世間一般でいう平均が私にはわからない。でも最近は高校生のうちに初めてを体験する子も多いとか。
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