気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
 今回、遠慮しなくていいと再三言われてしまったから、スライサーや調理用スチーマー、ハンドブレンダーなどをお願いしてしまった。

 調理にかかるコストが下がるのと、料理の幅が広がるのはありがたいものの、やっぱり少し申し訳ない。

「本当によかったの……?」

「これでまたおいしい料理を作ってくれるんだろう? ありがたい話だ」

 胃袋を掴むというのはこういうことなのかもしれない。

 契約妻でも気に入ってもらえるものがあるならよかったと、前向きに考えておく。

「この後の予定はどうしようか。普段、友だちと買い物をした後はなにを?」

「ご飯を食べたり、ああいうスタンドでジュースを飲んだり……?」

 広場の奥まった場所にはジューススタンドがあった。

 休日なのもあって人が集まっており、思い思いに好きなジュースを飲む姿が見える。

「へえ。飲むか?」

「志信さんは?」

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