気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
「さっきも買ってもらったので、今度は私の番だよ」

「デートというのはそういうものだろう?」

 当然のように言われて頭を抱えたくなった。

 それを平然と言えるあたり、住む世界が違う。

「志信さんが今までにお付き合いした方はそうだったのかもしれないけど、私は違うよ。だからここは……出させてほしいです」

 ジュースくらいなら引いてくれるんじゃないかと思ったから、望みをかけて志信さんにお願いする。

「そこまで言うなら……。甘すぎないものを頼めるか?」

「うん。わかった」

 思った通り、すぐ引いてくれたことに安堵し、ジューススタンドに向かって歩き出す。

 なにかと私を気遣ってくれる志信さんに対して、ようやく私からもなにかを返せそうだ。されてばかりは申し訳ないし、落ち着かない。

 親子連れで賑わうスタンドに到着し、メニュー表を確認する。

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