気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
 しばらく連絡を取れていない円香を思い出す。

「私ってそんなにぼうっとして見える……?」

「ぼんやり、とはまた違う気もする。……君の周りの空気は優しいんだ。だから安心して声をかけられる」

 私がそんな空気を本当に漂わせているかはともかく、彼の言うそれがどんなものかはわかるような気がした。

「それなら、志信さんのほうがよっぽど隙があるよ。初めて会った時からずっとそう思ってたの。オーラがあるのに、一緒にいて安心するというか」

「……それは知らなかった」

 ふい、と志信さんが視線を逸らして、手に持ったカップを見る。

「とにかく、そういう雰囲気が放っておけないんだ。俺の親友に見本として教えてやりたいよ」

 親友、と聞いてひとり思い当たる。

「それは筑波社長のこと?」

「ああ。君と違って人に怖がられるのが得意なんだ」

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