気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
 そうでなければいいと思っていただけに、動揺で呼吸が浅くなる。

「……久しぶりだね、宗吾くん」

 志信さんが目で私に疑問を伝えてくる。

「親戚。しばらく海外に行ってたの」

「……親戚?」

 どうして志信さんがそこに引っかかりを覚えたのか、聞く心の余裕はなかった。

「こんなところで会うなんてすごい偶然だね。この間、お母さんたちと宗吾くんの話をしたんだよ」

「なんだよ、知らないところで噂して。まあ、婚約者みたいなものだしな」

 ぎゅっと無意識にこぶしを握り締めていた。

 宗吾くんは志信さんをちらりと見てから、ふっと鼻で笑う。

「だめだろ、優陽。買い物くらいひとりで来なきゃ。休日にまで付き合わされる相手の身にもなれよ」

「う、うん、そうだね。でも、この人は――」

「お前は昔からそういうところがだめだよな。だから俺以外、相手してもらえないんだぞ」

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