気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
夫婦になってから初めての口づけは、知らないうちに熱くなっていた頬に落ちた。
円香の悩みを聞いて明確になった私の悩みが、果たして今日解決するのかどうか。
デートの当日を迎え、昼の時間を譲られた私は彼を水族館へ連れて行った。
自分の好きな場所ということで選んだのだけれど、これが大失敗だった。
「ごめんなさい。あなたが関わっていた事業とは知らなくて……」
「俺も事前にどこへ行くか聞いておけばよかった。すまない」
十年前、再開発された土地に誕生した水族館は、今や地域どころか県の観光地の定番になっている。近くに大型商業ビルが建ったのも大きい。
そこに携わっていたのが株式会社ウェヌスクラース。そう、志信さんの会社だ。
デート先にそこの代表取締役を呼ぶなんて、彼についてなにも知らない最たる証拠だろう。
「今からでも違う場所に……」
円香の悩みを聞いて明確になった私の悩みが、果たして今日解決するのかどうか。
デートの当日を迎え、昼の時間を譲られた私は彼を水族館へ連れて行った。
自分の好きな場所ということで選んだのだけれど、これが大失敗だった。
「ごめんなさい。あなたが関わっていた事業とは知らなくて……」
「俺も事前にどこへ行くか聞いておけばよかった。すまない」
十年前、再開発された土地に誕生した水族館は、今や地域どころか県の観光地の定番になっている。近くに大型商業ビルが建ったのも大きい。
そこに携わっていたのが株式会社ウェヌスクラース。そう、志信さんの会社だ。
デート先にそこの代表取締役を呼ぶなんて、彼についてなにも知らない最たる証拠だろう。
「今からでも違う場所に……」