気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
「……昔の恋人と来た、と言われなくてよかった」
安堵する声が聞こえて志信さんを振り返る。
「もしかして来たことがあるのか?」
「あ、ううん。……振られた時にも来たってだけ。その時も円香と一緒だった」
「聞かせてくれ」
私の昔の恋愛の話なんて聞いてどうするのだろう、と前にも思った気がする。
気恥ずかしさはあるけれど、自分を知ってもらうためにも話すことにした。
「高校の卒業旅行で来たんだ。まだちょっと元カレを引きずっていた頃、ここで円香が私に元気をくれたの。大丈夫、親友の自分だけは一生一緒にいるからねって。……最初で最後の恋愛だったけど、円香だけは本当に一緒にいてくれた」
「最初で最後の恋愛、か」
「あ、誤解しないでね。今も好きだから恋愛してこなかった、とかじゃないの。……私、自分が浮気相手だって知らなくて」
安堵する声が聞こえて志信さんを振り返る。
「もしかして来たことがあるのか?」
「あ、ううん。……振られた時にも来たってだけ。その時も円香と一緒だった」
「聞かせてくれ」
私の昔の恋愛の話なんて聞いてどうするのだろう、と前にも思った気がする。
気恥ずかしさはあるけれど、自分を知ってもらうためにも話すことにした。
「高校の卒業旅行で来たんだ。まだちょっと元カレを引きずっていた頃、ここで円香が私に元気をくれたの。大丈夫、親友の自分だけは一生一緒にいるからねって。……最初で最後の恋愛だったけど、円香だけは本当に一緒にいてくれた」
「最初で最後の恋愛、か」
「あ、誤解しないでね。今も好きだから恋愛してこなかった、とかじゃないの。……私、自分が浮気相手だって知らなくて」