気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない

「人を騙すような真似をした報いを受けたわけだ」

　ちなみに元カレはそんな日常のせいか、大学受験の結果も散々だったらしい。

　最終的にどうなったのかまでは聞いていなかった。もう私には関係のない人だと、割り切っていたからだ。

「結果的にはすっきりしたんだけど、やっぱり悲しかった。私、おとなしそうで『ちょろく』見えるんだって。だからキープにちょうどいいと思われていたみたい」

　ほかの恋人の存在について問い詰めた際、恋人本人にそう言われた。

「……似たようなことを親戚にも昔から言われていたの。すごく嫌だった」

「前に会ったあの男か」

「うん」

　宗吾くんは私のそういうところがいいと小ばかにして笑った。

　育ててくれた今の両親を困らせたくなくて相談できないことに増長し、なにかと私に絡んでは上から目線で命令し、いやらしく身体に触れてきたのだ。

「……俺も反省すべきだな」