初恋御曹司と失恋部下の、一夜から始まる甘い恋
リビングのドアを開けると、お父さんこだわりの大きな窓から光が差し込こんでいた。
天井も高く解放感に溢れているリビングをナチュラルでリラックスできる空間にしたかったみたいで、アイボリーやブラウン系の家具で揃えている。
それもあってか、実家にいたころは自然とリビングにみんな集まって家族のだんらんを楽しんでいた。

広々としたリビングとダイニングキッチンの間を仕切るガラス扉があり、今は閉められている。

私はソファに恭二くんと並んで座り、テーブルを挟んでお父さんと芹くんと向かい合う。

さっき、恭二くんがお父さんに手土産を渡すと「ありがとう」と小さい声で言ってそれをお母さんのもとに持って行った。
そしてすぐに戻ってくると、ソファに座りじっと腕組みをして目を閉じている。
『瞑想でもしているの?』と突っ込みたくなった。
そんなお父さんたちの変な空気のせいで実家なのに居心地が悪い。

ガラス扉を開けてお母さんがリビングに入ってきて、コーヒーカップをテーブルに置きながら口を開く。

「今日はわざわざ来てくれてありがとう。手土産までもらって」
「いえ。こちらこそ、お時間を作っていただいてありがとうございます」
 
うちの家族とは何度も会っているので、恭二くんは平然としているように見えた。
お母さんは好意的に話しているのに、お父さんと芹くんはだんまりを決め込んでいる。
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