初恋御曹司と失恋部下の、一夜から始まる甘い恋
「芹、恭二くんのことは誰よりもあなたの方が知っているんじゃない?二十年近く友人関係を続けられているのはどうしてかしら?」
「そりゃ、真面目でいいやつだし人として尊敬できるし……ってクソッ、こんなこと言いたくなのに」
芹くんは悪態をつきながらも恭二くんのことはなんだかんだ認めているみたいだ。
こういう友情って素敵だなと思う。
「よく分かっているじゃない。あなたも認めている親友が琴葉を将来の結婚相手として選んでくれたのよ。最高だと思わない?琴葉のことを大事に思うなら兄として静かに見守ってあげてちょうだい」
そう言うと、お母さんは私に向かって優しく微笑んだ。
「それで琴葉は結婚についてはどう考えているの?」
「私は恭二くんと絶対に結婚したい!」
間髪いれず、力強く宣言するように言う。
それ以外の選択肢はない。
恭二くんとの結婚は長年の夢みたいなところもあるし。
「ふふ、昔から琴葉は恭二くんと結婚したいって言ってたしね。恭二くん一筋の琴葉にみんなヤキモチを焼いていたのを思い出すわ。芹なんて恭二くんの悪口を琴葉に吹き込んだりして」
「昔の話は言わなくてもいいだろ」
芹くんはお母さんの言葉に気まずそうに顔を反らした。
そういえば、芹くんから恭二くんの悪口を聞かされていたことを思い出した。