初恋御曹司と失恋部下の、一夜から始まる甘い恋
人を傷つけるような悪口じゃなく、本当にしょうもないものだった。
まあ、そんなことを言われたところで私が恭二くんのことを嫌いになることはなかったけど。
芹くんは黙っていれば、妹の私から見てもカッコいいし普通にモテると思う。
私が絡むと、人が変わったように子供っぽいことを言うので勿体ない。
早く妹離れして欲しいところだ。
「葵、恭二くんなら琴葉のことを任せてもいいんじゃない?」
「そうだな。恭二くん、琴葉は私たちが過保護に育ててしまったので至らない点もあると思うが、どこへ出しても恥ずかしくない程度のマナーは身に付けさせている。親バカなのは百も承知だが、責任感があって目標に向かってコツコツ努力できる子なんだ」
お父さんが私を見て優しく微笑んだあと、恭二くんに向かって頭を下げた。
「琴葉のことをよろしく頼みます」
「はい。こちらこそ、認めていただいてありがとうございます。羽山家の皆さんが琴葉さんを大切に守ってきたように、僕もそれに負けないぐらい大事にし、幸せにしたいと思っています」
恭二くんは私の両親に向かって深々と頭を下げると、二人は満足そうに笑っていた。
私はお父さんと恭二くんの言葉が嬉しくて胸がいっぱいになっていた。
その一方で「よろしく頼むとか幸せにしたいとか結婚の挨拶みたいじゃないか!」と芹くんが一人、憤慨していた。