初恋御曹司と失恋部下の、一夜から始まる甘い恋
突然の同棲
週が明けた月曜日。
経営戦略会議の準備をするために会議室へやってきた。
この会議の参加メンバーは社長を筆頭に役員や各部署の責任者などで、三ヶ月に一度のペースで行われている。

まず、会議室のドアにあるプレートを使用中に変更した。
プレートには会議中、空室、使用中、予約がある。
使用中は準備や片づけの時に表示するようになっている。

会議室の電気をつけ、コの字で机が並べられているのを確認し、人数分のペットボトルのお茶を置く。
プロジェクターを準備し、久住部長から預かったノートパソコンの電源を入れていたら会議室のドアが開いた。

「ちょっと早く来すぎたかな」

え、と思いながらそちらに視線を向けるとまさかの人物に目を見開き、すぐさま挨拶した。
 
「社長、お疲れ様です。すみません、まだ準備の途中で」
「いや、こちらこそ時間があったから早めに来てしまったんだ。君は……」

そう言って私の顔をじっと見つめてきた。
社内報などで見るその人は、恭二くんとよく似た顔立ちで会社のトップとしての威厳を持ち合わせている。
うちのお母さんから私のことを聞いているだろうから、こちらから名乗った方がいい気がした。

「営業部の羽山琴葉です」

どんな反応が返ってくるのか分からず、緊張感に包まれた。

「君が琴葉ちゃんか!つい先日、うちの恭二と付き合っているという話を聞いていたから会いたいと思っていたんだ」

そう言って社長は笑顔を見せた。

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