初恋御曹司と失恋部下の、一夜から始まる甘い恋
「恭二は仕事ばかりで将来どうするのかヤキモキしていたんだ。そんな恭二から結婚を見据えて付き合っている女性がいるという話を聞いてようやくかと胸を撫で下ろしていたんだ。その相手が琴葉ちゃんだとはね」

嬉しそうに話す社長。
こんなに早い段階で遭遇するとは思わなかった。
数日前に呑気なことを考えていた私がバカだった。

「ご挨拶が遅くなってすみません」
「いやいや、いいんだよ。家内から二人が付き合っていることを聞いて恭二に琴葉ちゃんに会いたいと伝えたら、こっちから挨拶に行くからそれまで待ってと言われていたんだ。まさかすぐ会えるなんてね」

私も久住家に行ってから挨拶するものだと思っていたのに、会議室で社長と会うなんて想定外だ。

「気が早いとは思うが、結婚の予定は具体的に決まっているのかい?」
「いえ、まだです」
「そうか。私としてはいつでもいいので決まったら教えて欲しい。家内も琴葉ちゃんに会いたいと言っていたので、時間があればまたうちに寄ってくれると嬉しい」
「はい。後日、恭二くんと一緒にご挨拶に行かせていただきます」

社長は私たちの付き合いを喜んでくれているみたいでホッとしていたら、コンコンとノックの音が聞こえて会議室のドアが開いた。

「羽山さん、準備ありがとうって社長?」

入ってきたのは、恭二くんというか久住部長だった。
驚いた彼は、私と社長の顔を交互に見る。
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