初恋御曹司と失恋部下の、一夜から始まる甘い恋

週の真ん中の水曜日。
まだ折り返しか、とため息を漏らす。

朝の通勤ラッシュほど嫌な物はない。
だからといって運転が苦手だから車通勤は無理だ。
申請を出せは許可してもらえるだろうけど、街中を運転するのは怖すぎる。
そもそも、車を持っていないので電車通勤一択だけど。

マンションから最寄り駅までは徒歩で十分もかからない。
セキュリティ面と交通と生活の利便性などを重視して住むマンションを決めた。
私ではなく家族が、だけど。

ICカードをかざして改札を通る。
私はいつも早い時間の電車に乗り、会社の最寄り駅構内にあるカフェでコーヒーを飲んでから会社に行っている。
前に寝坊してしまい、満員電車に乗ったけど掴まるところがなくて、どうにか倒れないように両足で踏ん張っていた。
本当におしくらまんじゅう状態で足も人に踏まれたりと散々な目に遭ったので、通勤ラッシュに巻き込まれるより早起きして出勤した方が断然いい。

駅ですれ違うのは社会人より、部活の朝練のために登校しているであろうスポーツバッグを持っている学生が多い。
あと五段ぐらいで階段を降りきるというところで、背中に誰かのカバンか何かが当たる感触があった。

「えっ、」
 
少し強い力で当たったので、私の身体は前のめりになり階段を踏み外した。
ヤバイ、落ちる。
そう思った時には、ホームに倒れ込んでいだ。
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