初恋御曹司と失恋部下の、一夜から始まる甘い恋

恭二くんとの同棲生活が始まって二週間が経った。
あの日の夜、母親から折り返し電話があり『琴葉のマンションを解約するから』と言い出した。

理由を聞けば、電話を切った後に恭二くんのお母さんと話をしたとのこと。
私の怪我のことも心配してくれ、恭二くんと一緒に住むことも協力的だったらしい。
それで、恭二くんのマンションに一時的に住むのではなく、完全に引っ越してしまえばいいと話がまとまった。
私には事後報告で『どうせ、二人は結婚するんでしょ』なんて言われ、トントン拍子で婚前同棲という形をとることになった。
誰もあの母親二人に逆らえる人がいなかった。
柊くんは『いいんじゃない?』と賛成してくれ、芹くんは最後まで渋っていたみたいだ。

母親が引っ越し業者を手配してくれ、必要な物と処分する物の仕分けをしてから恭二くんの部屋に私の荷物を運び込んだ。

引っ越し作業を終え、何もなくなった自分の部屋を見て少しセンチメンタルな気分になった。
でも、それは一瞬だけ。
大好きな人と一緒に住めるという高揚感の方が勝っていた。

この二週間で怪我もすっかり治って、普段通りの生活が出来るようになった。
そもそも、利き腕じゃなかったし、そこまで酷い怪我ではなかったので特に支障はなかった。
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