初恋御曹司と失恋部下の、一夜から始まる甘い恋
「えっ、灰原くん彼女いたの?」
休みの日は何をしているという話題から、灰原くんが『彼女と映画を観に行った』と答えて望が速攻で食いついた。
「はい。同い年の幼なじみで高校の時から付き合ってます」
「うわー、なにそれ!幼なじみと高校の時から?ヤバい!エモすぎてニヤニヤしちゃう」
望が興奮気味に言う。
そして、私の耳元で「推しが純愛してるんだけど」と囁く。
推しの幸せは自分の幸せだとばかりに、顔が緩みまくっている。
「幼なじみって響きいいよね。どっちから告白したかとか聞いても大丈夫な感じ?」
「はい、大丈夫ですよ。告白は自分からですね」
灰原くんはなんの戸惑いもなく話し始める。
「高校二年の時に、俺の友達が彼女のことを紹介してって言ってきたんです。でも、なんかソイツに会わせるのが嫌だなと思って」
話の途中なのに、望はニヤケながらバシバシと私の腕を叩く。
「望、腕が痛いんだけど」
「シッ!琴葉、いいところなんだから静かにして」
人差し指を口に持っていき注意された。
私、悪くないよね?
そんな私たちのやり取りを気にすることなく、灰原くんは話を続ける。
「俺の中では、家が近所の幼なじみってだけだったけど、紹介の話が出て初めて彼女のことが好きなんだと気づいたんです。それで、速攻で告ったら遅いんだよって怒られました」
そう言って肩を竦めながら笑った。