初恋御曹司と失恋部下の、一夜から始まる甘い恋

遅くなった本当の理由を話せるわけがないので、苦笑いしながら「まあね」なんて言って誤魔化した。

加絵さんの送別会が終わり、二次会に行く人と帰る人に分かれて居酒屋を出た。
主役がいない二次会をする意味があるのか?という疑問はあるけど、結局みんな飲んで騒ぎたいだけなんだろう。
望は私と同じ二次会不参加組で、さっき別れたところだ。

一人になり、伊藤さんの告白のことを考える。
一週間後に返事をと言われても、私の気持ちは変わらない。
恭二くんという好きな人がいるのに、伊藤さんを恋愛対象で見れるわけがない。
そんなことを考えていたら、背後から「琴葉」と私の名前を呼ぶ声がした。
振り返ると、そこにはスーツ姿の恭二くんがいた。

「あれ、どうしたの?」
「琴葉を迎えに来たんだよ。今日は俺が迎えに行くって延原さんに連絡しといた」

送別会なので、今日は駅に延原さんが迎えに来てくれることになっていた。
二時間コースだったので、だいたいの終わる時間を伝えていたけど、まさか恭二くんが来てくれるとは思わなかった。

「今日は飲み過ぎてないよな?」

確認するように私の顔をじっと見た。

「うん、ビール一杯であとはウーロン茶とか飲んでたよ」
「そうか……で、何かあったのか?」

鋭い指摘に動揺が隠し切れない。
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