初恋御曹司と失恋部下の、一夜から始まる甘い恋
テーブル席、ソファ席があり、パーテーションの代わりに少し大きめの観葉植物が置かれていて、ある程度目隠しされた状態になっている。
私は一番奥のテーブル席に座り、注文したコーヒーを飲んでいたら伊藤さんがやってきた。
「ごめん、待った?」
「いえ」
「すみません、日替わりコーヒーください」
伊藤さんは店員に注文し、席に座った。
「今日は時間を作ってくれてありがとう」
「いえ」
さっきから「いえ」しか言ってない自分に気づいて小さく息を吐いた。
私が返事をしなきゃいけないんだけど、どう切り出したらいいのか分からなくて言葉が出ない。
「お待たせしました。日替わりコーヒーです」
店員が伊藤さんの前にコーヒーカップを置き、彼はそれに口をつけた。
伊藤さんもさっきから何か喋ろうとしては口を閉ざすを繰り返している。
お互いにどう話せばいいか思案している状態で埒が明かない。
伊藤さんが先に告白してくれたんだから、返事は私からするべきだと思い、意を決して切り出した。
「伊藤さん、この前の返事を」
「ああ、そうだよね……。ごめん、ちょっと緊張して」
伊藤さんは苦笑いし、軽く咳ばらいをして真っ直ぐに私を見つめた。
「羽山さん、俺は本気で君のことが好きなんだ。付き合ってほしい」
真摯な告白にハッと息を飲んだ。