初恋御曹司と失恋部下の、一夜から始まる甘い恋
「はい。でも、アポイントがないので一応、羽山さんに確認した方がいいかなと思いまして」
三条という女性で思いつくのは……まさかあの三条瑠香?
どうして私の勤め先を知っているんだろう。
普通に怖いんだけど。
わざわざ調べてまで会社に来るってことは、よっぽど大事な話があるんだろうか。
もしかして、恭二くんが私を恋人だと言ったことが不満だったとか?
でも、あの日からずいぶん日にちは経っているので今更感はあるけど。
いくら考えても答えはでない。
「分かりました。今からそちらに向かいます」
「承知しました。三条様には応接スペースにご案内しておきます」
「はい、よろしくお願いします」
受話器を置いてため息をついた。
三条さんはいったい何しに来たんだろう。
まさか、違う三条さんじゃないよね?
憂鬱な気持ちで席を立つと、望が声をかけてきた。
「琴葉、どうしたの?」
「私に来客があったみたい。ちょっと今から受付のところに行ってくるわ」
「琴葉に来客って初めてだよね。知り合いなの?」
「うーん、知り合い……なのかな?たぶん知ってる人だと思うけど、とりあえず行ってくるから席を外すね。なんかあったら電話して」
「よく分かんないけど、了解」
営業フロアを出てエレベーターに乗り込むと、一階に降りた。