初恋御曹司と失恋部下の、一夜から始まる甘い恋
「お疲れ様です、第二営業の羽山です」
受付カウンターに行き、声をかけた。
「お疲れ様です。すみません、三条様なんですけど応接スペースにご案内しようとしたら、これを渡されて」
青山さんが一枚のショップカードを差し出してくる。
そこには、会社近くにあるコーヒーショップ『Kimi Cafe』の住所などが書かれていた。
「ここにいるから来てほしいとの事でした」
「分かりました。行ってみます」
「いえ、二転三転して申し訳ないです」
「こちらこそすみません、ありがとうございました」
私はショップカードを手に会社ビルを出た。
あいにく、財布は持ち合わせていない。
スカートのポケットにスマホがあるだけだ。
何か注文してもあそこは電子マネーが使えたはず。
足取り重くコーヒーショップに向かった。
店の駐車場はレンガやタイルで舗装されていて、見た目がお洒落だ。
車は十台ぐらい止められる広さで、混雑した時間帯は満車になる。
今は一台車が止まっていた。
店の入口隣には花壇があり、いつも綺麗な花が植えられている。
コーヒーショップの中に入ると、他のお客さんの姿はなかった。
店内はパーテーションの代わりに少し大きめの観葉植物が置かれていて、ある程度目隠しされた状態になっている。
どうやら、三条さんは一番奥のテーブル席に座っているみたいだ。
先にカウンターの奥にいた店員にホットカフェラテを注文して三条さんの席に向かった。