初恋御曹司と失恋部下の、一夜から始まる甘い恋
芹からも『お前ら、お似合いのカップルだな』と言って信じて疑わなかった。
わざわざ訂正するのも面倒だったので、そのままにしておいた。
俺は大学生活と並行して親父の仕事の手伝いを始めた。
会社で働くとなると、どうしても"社長の息子"として俺のことを色眼鏡で見られる上、扱いに困るだろう。
そのことを見越した親父から、各部署に特別扱いをしないようにと通達していたらしい。
倉庫での検品やピッキング、出荷作業から始まり、本社ではキャラクター玩具の商品企画など様々な仕事を経験した。
初めは分からないことや失敗することも多々あった。
謙虚な姿勢で教えを請えば、先輩は丁寧に教えてくれた。
そんな俺の姿を見てなのかは定かではないが、先輩社員がただの後輩として好意的に接してくれるようになった。
正直、学業との両立は大変だったけど、将来のことを考えれば苦にはならなかった。
入社前、現場での声を直接聞くことが出来きたことで、従業員が働きやすい環境作りに役立っている。
努力をすることを惜しまず、何事も経験あるのみということを学んだ。
忙しい大学生活を送っている中、久しぶりに芹から家に来ないかと誘われた。
高校卒業以来、芹の家に行っていなかった。
そういえば、琴葉は元気にしているだろうか。
以前、芹から琴葉の中学の入学式の写真を見せられた。
中学受験し、女子校に行っていると聞いていた。