叶わない恋の秘めごと~堅物上司の好きな人~
迎えた月曜日。会社へ向かう足は重たい。あの出来事から新堂さんに初めて会うのだから無理もないかもしれない。
休みの間、彼が言った「責任」と言う言葉が重くのしかかり、何をやっていても頭から離れなかった。
「おはようございます」
とはいえ、ここは会社。いくらプライベートで落ち込むようなことがあっても、社会人として何事もなかったかのように努めなければ。そう自分に言い聞かせながら、事務所のドアを開ける。
「あ、おはよー、乙葉ちゃん」
「おはようございます、清家さん」
すでに出社していたデザイナーの清家さんが、笑顔で挨拶を返してくれた。今日も相変わらずのド派手なファッションで、目がチカチカしてしまう。そんなラメが入ったTシャツはいったいどこに売っているのだろう。
「あれ? 乙葉ちゃん、今日なんか雰囲気違くない?」
緩くパーマのかかった髪を揺らしながら私の方へ近づいてくる。
「そ、そうですか?」
「化粧変えた? なんか今日大人っぽい」
そう言われドキッとする。処女を捨てたら、外面に出ちゃうものなのだろうか?