叶わない恋の秘めごと~堅物上司の好きな人~
家まで送ってもらうと、お礼を言い車を降りる。
「あの、ありがとうございました」
「あぁ、おやすみ」
運転席から、手をあげる新堂さん。その姿を見ていると名残惜しくなる。でもこれ以上望んではダメだ。
「じゃあこれで失礼しま……」
そう自分を諫めながら足を踏み出したところで、思わぬ発言が耳に届いた。
「来週は外せない予定があるから無理だけど、その次の週、またどこか行くか」
「え? いいんですか?」
「あぁ、どこに行きたいか考えておいて」
「はい!」
張り切って答えると、新堂さんはクスッと笑っていた。
どうしよう、嬉しい。またこうやって二人で会えるんだ。
終わりが来るってわかっているのに、彼への気持ちがどんどん膨らんでいく。
諦めがつかなくなるってわかっているのに、彼への気持ちを止められない自分がいた。