叶わない恋の秘めごと~堅物上司の好きな人~
第三章
自然と体が揺れる。給湯室には、私の浮かれた鼻歌が響いていた。
新堂さんとデート、どこに行こうかな? あの後、色々デートスポットを検索した。美術館に映画館。デートコースを調べながら一人でニヤニヤしていた。
案外子どもっぽい一面もある新堂さんだ。水族館デートとかもいいかもしれない。
「お~とはちゃん! どうしたの? やけに機嫌がいいね」
私の様子をすぐに察知して近づいてきたのは清家さん。今日は髪を一つに縛り、眼鏡をかけている。だけどファッションは相変わらずで、今日も目を細めたくなるくらい眩しい色の服を着ている。
「……い、いえ。別に」
「隠したって無駄だって。俺にはわかるよ? 何かいいことがあったんでしょ」
シンクに寄り掛かりながら、私を上からニヤニヤと眺める。眼鏡の奥の瞳はキラキラしていて、男性にしておくのはもったいないくらい綺麗だ。
「本当に、なんでもないですから」
「大好きな新堂と何かあった?」
「な……、えぇっ!?」
自分でもビックリするような素っ頓狂な声が上がる。大好きって……。どうしてそれを?
どこから突っ込んでいいものかわからず、ただただ清家さんの前で口をあんぐりしてしまう。