執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
テーブルの中央に置いたマルゲリータのピッツァをふたりで摘まみながら、美都はチェリートマトのスパゲティを、哉明は魚介のリングイーネを食べている。

「やっぱり結婚と婚約は同義ではないでしょうか」

婚約した時点で結婚を了承したも同義、両親も、上司である筧もそう言っていた。

「ようやく気づいたか」

何食わぬ顔で肯定する哉明。やはりこの男は逃げ場をなくすつもりで指輪をプレゼントしたらしい。

「そろそろ結婚しよう」

「まだ同棲を始めて一週間しか経っていないんですが」

「充分だろう。だいぶ待った」

どれだけせっかちなのだろう。こうと決めたら我慢できない質なのかもしれない。

言い方を変えれば、それだけ美都への執着が強いということで。

(その分、私を大事に思ってくれているというのなら、光栄なのかもしれないけれど……)

現に美都のために食器を新調したり、豪華なジュエリーをプレゼントしたり。どうでもいい相手ならばこうはしないだろう。

使われた金額よりも、美都のために時間を割いてくれたことの方が嬉しい。食器も美都の好みに合わせてくれた。

彼なりの誠意は見せてくれたと思う。

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