離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています〜after storyハネムーン編〜
「そういえば芽依ちゃん、今日、泊まっていくんだよね?」
今度は子供たちの輪からは、そんな可愛らしい会話が聞こえて来た。
辺りにはぷかぷかと大きなシャボン玉が浮かんでいる。
会長が、何やら背中に機械を背負っていて、それから発射されているようだ……。
相変わらずすごい……。
まだうまく話せないひまりちゃんも、目を輝かせ見つめていた。
だが、大好きな斗真君にそう尋ねられた芽依は、しゅんと視線をさげて。
「お泊りしたかったけど、朝、パパがダメだって」
唇を尖らせながら答えた。
「えーー……!」
斗真君が即座に悲しそうな声を上げる。
立ち上がると一目散に千秋さんに駆け寄って「なんで……?」、潤んだ子犬のような眼差しを向ける。
うゔ……っ!
なんでも言うことを聞いてしまいそうなくらい、可愛く切実な眼差しだ。
千秋さんはその輝きから目を逸らすと、若干間をおいて答えた。
「………………芽依はまだ小さいので、場所が違ったり、私がいなかったりすると夜眠れませんので」
今度は反対隣に駆け寄ってきた芽依が「お家じゃなくても、パパがいなくても、寝れるもん!」と主張しているが、そこには聞こえないふりをしている。
私も、他の理由もあるような気がしないでもないが、口にはしなかった。