乞い果てて君と ~愛は、つらぬく主義につき。Ⅲ~
「甘やかすのは宮子の役目でしょ」
さらっと返った彼女流のエール。
「心の中で褒めてるから、遊佐クンと榊クンの努力と根性は」
「ん、知ってる。紗江がすげー優しいのは」
「はいはい」
打って変わった艶っぽい笑い顔を、クールに受け流した紗江の口許はほころんで。真の再手術のことも、榊の弾キズのこともあれこれ詮索しないで、『元気なら文句ないわよ』のひと言で。
瑤子ママお手製のカラメルプリンや蒸しケーキをおやつに、新居を構えるまでの苦労話だの、出産や育児の話題で花が咲く。
コンビニ休憩を一回はさんで到着したのは、山すその森に囲われた川沿いのグランピング施設。
人数限定のランチ利用も人気らしく、日よけのタープ、グリルセット、ソファが完備されたデッキで、せせらぎと自然のアロマに癒されながら優雅にバーベキュー。気分がはしゃぐ。
「ピクニックって言うから、どっか景色のいいとこでお弁当広げるのかと思ってたー」
「こんなとこがあったなんて知らなかったわ。遠くないし、陽斗とパパも喜びそう」
「気に入った?」
『もちろん!』
紗江とユニゾン。笑い合う。
あの頃はカラオケ、ゲーセン、ファミレスがあれば飽きなかった。こんなとこまで黒スーツの男と目が合って、ふと。
あたし達はもう子供じゃないのが、懐かしいような愛しいような、寂しいような切ないような。
さらっと返った彼女流のエール。
「心の中で褒めてるから、遊佐クンと榊クンの努力と根性は」
「ん、知ってる。紗江がすげー優しいのは」
「はいはい」
打って変わった艶っぽい笑い顔を、クールに受け流した紗江の口許はほころんで。真の再手術のことも、榊の弾キズのこともあれこれ詮索しないで、『元気なら文句ないわよ』のひと言で。
瑤子ママお手製のカラメルプリンや蒸しケーキをおやつに、新居を構えるまでの苦労話だの、出産や育児の話題で花が咲く。
コンビニ休憩を一回はさんで到着したのは、山すその森に囲われた川沿いのグランピング施設。
人数限定のランチ利用も人気らしく、日よけのタープ、グリルセット、ソファが完備されたデッキで、せせらぎと自然のアロマに癒されながら優雅にバーベキュー。気分がはしゃぐ。
「ピクニックって言うから、どっか景色のいいとこでお弁当広げるのかと思ってたー」
「こんなとこがあったなんて知らなかったわ。遠くないし、陽斗とパパも喜びそう」
「気に入った?」
『もちろん!』
紗江とユニゾン。笑い合う。
あの頃はカラオケ、ゲーセン、ファミレスがあれば飽きなかった。こんなとこまで黒スーツの男と目が合って、ふと。
あたし達はもう子供じゃないのが、懐かしいような愛しいような、寂しいような切ないような。