乞い果てて君と ~愛は、つらぬく主義につき。Ⅲ~
ちょっと人見知りで、凛のうしろをついて回ってる響矢は、大人しいっていうか繊細っていうか、正直言えば極道の遺伝子どこ??っていうか?

夫婦のことだから深く追及しなかったけど結局、仁兄は竹中のお嬢と離縁した。響矢が一歳になる前で、瑤子ママがそうしてくれたように、1ミリも迷わずあたしは響矢のお母さんになった。

あたしと真は『おとうさんおかあさん』、仁兄と哲っちゃん瑤子ママは『パパママ』呼び、じーじにばーば、一ツ橋は大家族だから子供達が誰が誰かを覚えるのは、まだこれから。

もちろん、あんたの名前もしっかり二人に刷り込んであるんだからね?






ゴールデンウィークが明けたその次の週末。とある河川敷の運動公園で開催された、全席有料の花火大会へ出かけた。

心配してた天気もまあまあ。会場まで付き添ってくれてるのは角さん、西沢さんのほかに若い子が四人。定番の屋台も並んで、大はしゃぎな息子達。

「今度、ヒコーキ見に行こっか」

「おかーさんっ、おとーさんがひこーきみるって、いったよ!」

「よかったねぇ、響矢も飛行機好きでしょ?」

「すき」

ベンチ席で真とあたしに挟まれ、タコ焼きを頬張りながら喜ぶ無邪気さに、真があたしを“鳥カゴ”に閉じ込めたがらなかった気持ちがよく分かる。

分かるようになった。やっと。
< 179 / 183 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop