ライバル企業の御曹司が夫に立候補してきます~全力拒否するはずが、一途な溺愛に陥落しました~
ここ数年、身内や友人だけのささやかな式を希望する夫婦が多くなっていて、装花も最低限でいいと言われることが増えた。十万円以内で済ませる場合もある。
逆に豪華にしたい場合も、一般的な式であれば五十万円ほどあればかなり華やかな装花を用意できるので、三百万円は破格と言っていいだろう。
そんなに豪華な花を希望する新郎新婦っていったいどんな――。
金額ばかりに気を取られて新郎新婦の名前を見過ごしていたなと、視線をパッと書類の一番上に動かした瞬間、頭の中が真っ白になった。
【新郎 瀬戸山統様 新婦 九条蘭子様】
見積書にはハッキリとそう記載されていた。
この装花って、統と蘭子さんの結婚式用……?
そっか。結婚……することにしたんだ。
私とは恋人でも何でもなかったし、蘭子さんはもともと彼の許嫁だった相手。彼らが結婚式を挙げるのは、ごく自然な流れだ。
大手企業の御曹司と令嬢の結婚なら招待客も多いだろうし、装花が派手になるのも当然といえる。
だけど……どうして美吉ブロッサムに依頼を?