ライバル企業の御曹司が夫に立候補してきます~全力拒否するはずが、一途な溺愛に陥落しました~

 曇り空は続いていたものの、雨が一旦止んだのを見計らい、私たちは温室から駐車場へ移動した。

 お昼がまだだったので帰り道で見つけた洋食レストランに寄り食事をしたけれど、瀬戸山は無愛想に食事を口に運ぶだけ。

 私が自分になびかないのを察して、おもしろくないのだろうか。……いや、彼はそんな子どもっぽい人じゃないよね。

 だったらどうして?と思うものの、瀬戸山の心境を知ったところで私にはもう関係ない。気まずい空気のままデートが終わるとしても、自分で望んだ結末だ。

 レストランを出た後のドライブでもとくにお互い積極的に話そうとはせず、沈黙が気詰まりなことを除けば、平和な時間が過ぎていく。

 あとは最後に指輪さえ返してしまえば、彼との関係もおしまいだ。

 カーナビの時計を見ると、午後四時半を過ぎたところ。大人がデートを終えるにはだいぶ早い時間だが、元々恋人同士でもなんでもないのだからちょうどいいだろう。

 すでにデートは終了したかのように肩の力を抜いて、車の窓から外を眺めた。

 段々と見慣れた景色が増えてきて、もうすぐ私のマンションだなと安心する。

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