唯都くんは『運命の番』を溺愛したい

 今はまだ、この男をチャペルの外に出すわけにはいかない。

 理亜ちゃんが確実に逃げ切れるように、時間稼ぎをしなくちゃ。



 「どこに隠れているかは言わない……絶対に言わない……」



 くそっと吠えた直後、男は私を床にたたきつけた。

 顔面が床に激突。

 負傷していたひたいに激痛が走る。



 顔全部が痛い。

 体も。心も。

 もう何もかもがしんどい。



 このまま天国に行けたら楽なのかな?って、一瞬思って。

 なにを言ってるの!

 自分に喝を入れたのは、唯都様の笑顔が頭に浮かんだから。



 『琉乃ちゃんは俺の運命の番だからね』



 嬉しかったな。

 あまねさんに重ねてくれているとはいえ、私なんかを抱きしめてくれて。

 唯都様との幸せいっぱいの思い出があれば、私はどんな苦痛にも耐えられる。



 ――絶対に唯都様を守るんだ!




 私から離れた男は、躍起になりながらチャペル内を探し回っている。

 そろそろいいかな。

 でも理亜ちゃんはヒールで逃げている。もう少し。



 「姉がどこにいるか吐け!」
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