唯都くんは『運命の番』を溺愛したい
「そうか、計画失敗ってことか」
感情も抑揚もない低い声。
「わかったわかった、今から俺がすべきこと」
男は怖いほど冷静だ。
暴れてもいない。
何かに乗っ取られたように、ぼーっと立ち上がって。
何も言わずに私に近づくと、何も言わずに私を抱きかかえた。
米俵を肩に乗せるように。
こうなることはわかっていた。
これは私が望んだこと。
今から私は車に押し込まれるだろう。
「警察が来る前にズラかるか」
ほらやっぱりと、まぶたを閉じる。
私は一切の抵抗をしない。
男はチャペルの外に出ると、止めてあった車の後部座席に私を寝かした。
脱走しないようにだろう。
私の足首をロープで固定。
これじゃ幼稚園の時に運動会でやったピョンピョン走りしかできないな。
片思いの終止符のような未練がましい涙が瞳に湧き、私のほほを慰めるように流れていく。