唯都くんは『運命の番』を溺愛したい

 衝撃的な単語に、血の気が引く。


 ……この男に……食べられる……?



 私の腕と上半身には縄が食い込んでいる。

 足首もぐるぐる巻き。

 顔の真上には、脂肪がのった男の薄ら笑いが。

 どんなに楽天的な可能性を探しても、逃げられないという極論にたどり着いてしまうから、肝が冷えて震えが止まらない。



 男の指が私の耳たぶをこすった。

 しつこく皮膚をこねまわし、そのまま耳の穴へ。

 中の凹凸に傷をつけるように爪をたて。

 ガジガジという音さえ気持ち悪く響くから、吐きそうになる。



 ネチョネチョとつばを泡立てる音が、耳のすぐ横で響いた。

 体中の産毛が逆立つくらい気持ち悪い。

 音だけでも勘弁してほしいのに、今度は男の顔が迫ってきて。

 ぬめっと光る赤黒い舌を出しながら。



 イヤ!

 ほんと無理なの!



 現実の恐怖を瞳に映す限界に、私はまぶたをぎゅっと閉じる。

 視界が閉ざされると研ぎ澄まされてしまう、聴覚と触角。

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