唯都くんは『運命の番』を溺愛したい


 瞳から涙があふれる。

 脳内スクリーンに映し出されたのは、唯都様の笑顔。



 『琉乃ちゃん、大好き』



 嬉しさよりも罪悪感がにじみ、胸が苦しい。

 あまねさんの代わりとして唯都様のそばにいてあげられなかったことが、申しわけなくてたまらない。



 唯都様は私以外の代わりを、この先見つけることができるのかな?

 オメガで、ポニーテールで、自分より他人の気持ちを優先してしまう人。



 人の気持ちを必要以上にくみ取ってしまうのは、他人に嫌われたくないから。

 心の弱さだ。直すべきだ。

 自分の欠点として、私は捉えているけれど。



 私の魅力の1つだと、唯都様はほめてくれた。

 そのままでいいと微笑んでくれた。

 本当に嬉しかったんだ。

 家族に愛されないほど醜い私を、広い心で受け入れてくれたことが。

 

 だからこそ、私は自分に愛を注いでくれた人を守りたい。
 
 唯都様も、冴ちゃんも、友達も。

 最後まで心の底から笑い合うことができなかった、双子の姉、理亜ちゃんのことも。


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