唯都くんは『運命の番』を溺愛したい


 「俺も一人で向かおうと走り出した。琉乃ちゃんを助けるためなら、俺自身がどうなってもいいと思った。でも我流が俺の間違いを教えてくれた。天国の天禰(あまね)が自分と同じ過ちはするなと気づかせてくれた」


 「神だとかと尊いだとかキャーキャー騒がれてる大人気アイドル様は、実はただの弱虫ってことだな」


 「仲間を信じただけだ。俺たちエンラダ4人は、小さいころから特殊な訓練を受けてきた。気配を消し、気づかれぬまま敵を包囲できる確信があった。敵が何人いるかわからない。俺一人では琉乃ちゃんすら守れないかもしれない。でも俺たち4人なら、絶対に大切な人を守りきれる。そして自己犠牲を払わずとも、俺自身も幸せになれる」



 凛と地面を踏みしめる唯都様。


 「俺様の忠告、頑固魔王の心にちゃんと届いたようだな」


 車の上で、我流くんが誇らげに笑っている。

 男は自分の首に当たりそうな剣先におびえながら、荒い声を飛ばした。
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