ほんの少し思い浮かべただけの未来
「ええっと……」
知らず目が泳いだ。
「私も異動希望調査票に福岡って書けと?」
書いたところで……と思った。
だって、うちのグループからは園田先輩が抜けるのだ。
その穴を私が埋め、
私の穴を斎藤くんが埋め……
られるわけがないでしょーが!!
私にとっても斎藤くんにとっても任が重い。
これから大変になるのは目に見えている。
向こう2年は若手の異動はないだろう。
「私の福岡異動が叶う頃には、リョウタは名古屋に戻ってきてたりして」
いかにもあり得そうで、私は『ぷぷっ』と笑った。
「そんなんじゃなくて!」
驚いたせいで、私の肩は跳ね上がってしまった。
ついでに鶏軟骨とチャンプルーの皿を持った店員さんの腕も震えた。
私とリョウタは黙ったまま、テーブルの上にあるものを端に寄せて、皿2枚分のスペースを作った。
「ご注文の品は以上となります」
店員さんは、そそくさと引き上げていった。