俺様レーサーは冷然たる彼女に愛を乞う
「よし、これにしよ」
「いいですね。大きさも手軽なので海外にも持って行けますし」
「だよね」
チームクルーからのプレゼントはネックケア用品に決まった。
温感と電極パッドの両方が楽しめ、ワイヤレスで自由に設定できる。
F1レーサーは首が命。
だから毎日ケアできるのは有難い。
「今までも似たようなのを使ってたんだけど、これ最新モデルだから。今まで無かった機能が搭載されてる」
「ポールさんにも買ってあげたいですね」
「ポールは来月誕生日だから、本人が欲しいって言ったらこれにすればね」
「来月なんですね~」
ショッピングセンターの中にはたくさんのショップがあって、クルーからのプレゼントを探しながら、羽禾は自分からのプレゼントを吟味する。
基から買出しに出ることを聞き、方向音痴の羽禾は一緒に連れて行って貰えるように頼み込んだのだ。
「正直、何でも持ってるので何をあげていいのか迷うんですよね」
「羽禾ちゃんからのプレゼントなら、何でも喜ぶでしょ」
「……だとしても、やっぱり実用的というか、日常的に使って貰えるものがいいなぁと思って」
ショップを端から見て廻っているが、ピンと来るものが見つからない羽禾。
正直、お手上げ状態だった。
「羽禾ちゃんのファンとしては、お薦めしたくないんだけど…」
「……?」
「あいつ、今までちゃんとした付き合いしたことないから、ペア的なものは持ったことがないよ」
「ッ!」
「束縛されるのも嫌がるし、誰かに独占欲を抱いたこともない奴だからさ」
「……」
「身に着けられるものとかで、派手めじゃないものなら着けるんじゃないかな」