俺様レーサーは冷然たる彼女に愛を乞う
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 11月下旬のレースウィークエンド。
 あの日から、あっという間に1年が経った。

 アブダビにあるヤス・マリーナ・サーキット。
 陽が傾き始めると、約4700個の照明がコースを照らす。
 シーズンフィナーレを飾るのに相応しい幻想的なサーキット場だ。

「20**年 F1 世界選手権 第24戦 アブダビGP 最終レース決勝のお時間がやって参りました!最終戦も解説はお馴染み 川端 勇悟さん。実況は私、西野 透です。どうぞ宜しくお願いします」
「宜しくお願いします」

 西野アナの実況で幕を開けたGPシリーズ最終決戦。
 予選のタイムラップ順にフォーメーションラップが行われる。
 満員御礼の観客席から溢れんばかりの声援が送られる中――。

「ポールポジションはハンス、見事な予選タイムでしたよね~」
「ここ数年メキメキと腕を上げてきていて、見ててワクワクしますよね」
「ポールは安定の走りで3番手、司波は4番手。『Blitz』はチームプレイも完璧です」
「コンストラクターポイントが2位と2p差というのも、この最終戦の醍醐味ですよ」
「8番手のグレッグ。ここへ来て、グレッグの調子が少し気になる所ではありますが、5位以内に入れば累計ポイントでドライバーズ3連覇。ここは正念場ですよ~」

 グリッド位置(スタートライン)にマシンが着いた。

「20**年 F1 世界選手権 第24戦 アブダビGP Lights out ! ヤス・マリーナ58周決戦、今スタート!ポールがいいスタートを切った!司波はどうだっ?!」
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