俺様レーサーは冷然たる彼女に愛を乞う
*
「今、何て言った?」
「だから、暫く日本に行って来るって言ったんだよ」
「何しに?」
「あ?……何でいちいち報告しないとなんねーの?オフなんだから、俺が何しようが勝手だろ」
「それはそうなんだけど、居場所くらい知っとかないと」
加賀谷家に顔を出した瑛弦。
理由を口にしないけれど、明らかに彼女に会いに行くのだと分かる。
とはいえ、病気のことを一切知らせないと言っていただけに、瑛弦がどこに何をしに行くのが気になって仕方ない。
「いつの便で?」
「今夜の便だけど」
血は繋がっていないが、育ての親というのもあって、家を空ける時は報告しに来る瑛弦。
律儀な性格というよりは、それが加賀谷家のルールでもあるからだ。
両親が買い物に出ていることもあって、家には瑛弦と2人きり。
瑛弦は加賀谷家で飼っているゴールデンリトリバーのジョイ(オス)とリビングで戯れている。
瑛弦がどこまで知っているのか。
令子を問い詰め、フランスにいる西野の元にも行ったことを把握している基は、物凄い速さであらゆる事態を想定する。
彼女にとって今は時間が必要なのは分かるが、瑛弦にとったら1秒も放置できない状態。
一度は恋心が芽生えた女性。
だから、彼女の願いを叶えてあげたいところだけれど。
それよりも、20年以上共に過ごした瑛弦の気持ちを大事にしたい。
瑛弦にとって、誰よりも信頼できる兄でいたいから。
「羽禾ちゃんは脳腫瘍の治療に専念するために、お前の元を去ったんだよ」
「………は?」
「今、何て言った?」
「だから、暫く日本に行って来るって言ったんだよ」
「何しに?」
「あ?……何でいちいち報告しないとなんねーの?オフなんだから、俺が何しようが勝手だろ」
「それはそうなんだけど、居場所くらい知っとかないと」
加賀谷家に顔を出した瑛弦。
理由を口にしないけれど、明らかに彼女に会いに行くのだと分かる。
とはいえ、病気のことを一切知らせないと言っていただけに、瑛弦がどこに何をしに行くのが気になって仕方ない。
「いつの便で?」
「今夜の便だけど」
血は繋がっていないが、育ての親というのもあって、家を空ける時は報告しに来る瑛弦。
律儀な性格というよりは、それが加賀谷家のルールでもあるからだ。
両親が買い物に出ていることもあって、家には瑛弦と2人きり。
瑛弦は加賀谷家で飼っているゴールデンリトリバーのジョイ(オス)とリビングで戯れている。
瑛弦がどこまで知っているのか。
令子を問い詰め、フランスにいる西野の元にも行ったことを把握している基は、物凄い速さであらゆる事態を想定する。
彼女にとって今は時間が必要なのは分かるが、瑛弦にとったら1秒も放置できない状態。
一度は恋心が芽生えた女性。
だから、彼女の願いを叶えてあげたいところだけれど。
それよりも、20年以上共に過ごした瑛弦の気持ちを大事にしたい。
瑛弦にとって、誰よりも信頼できる兄でいたいから。
「羽禾ちゃんは脳腫瘍の治療に専念するために、お前の元を去ったんだよ」
「………は?」