俺様レーサーは冷然たる彼女に愛を乞う
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「瑛弦」
「……」
ドライバーズチャンピオンとなった瑛弦は、イギリスに凱旋した後も取材に追われ辟易していたところ、思わぬ人物の登場に硬直した。
基のすぐ横にいたのは、東京で一度だけお会いした羽禾の父親。
「久しぶりだね。優勝おめでとうございます」
「あぁぁ…あ、ありがとうございますっ!」
あまりにも突然の出来事で脳内が軽く停止したようで、上手く言葉が出て来ない。
基は会釈して席を外してしまった。
何を話したらいいのだろうか。
西野から『手術は無事に終わった』と報告は受けていたものの、その後の様子は一切知らされていなかったから。
「少し話がしたいのだが」
「あ、はい」
『Blitz』のベース基地内にあるカフェに彼女の父親をお連れする。
風格のある顔つきは健在のようで、さすがの瑛弦も緊張してしまう。
注文した珈琲が運ばれて来て、無意識に視線をそれに固定していると。
「今でも娘に会いたいかい?」
「ッ?!……はいっ、勿論会いたいです!会わせて頂けるのでしょうか?」
取材が落ち着いたら、彼女が祈り続けた王者の座を手土産に、日本に一度行こうと思っていた瑛弦。
「会ってもいいが、……全ての記憶が戻っているわけじゃないんだ」
「……承知してます。自分の事は何も憶えてなくてもいいんです。無事な姿を見れれば、それで…」
「……そうか。その覚悟があるなら…」
「瑛弦」
「……」
ドライバーズチャンピオンとなった瑛弦は、イギリスに凱旋した後も取材に追われ辟易していたところ、思わぬ人物の登場に硬直した。
基のすぐ横にいたのは、東京で一度だけお会いした羽禾の父親。
「久しぶりだね。優勝おめでとうございます」
「あぁぁ…あ、ありがとうございますっ!」
あまりにも突然の出来事で脳内が軽く停止したようで、上手く言葉が出て来ない。
基は会釈して席を外してしまった。
何を話したらいいのだろうか。
西野から『手術は無事に終わった』と報告は受けていたものの、その後の様子は一切知らされていなかったから。
「少し話がしたいのだが」
「あ、はい」
『Blitz』のベース基地内にあるカフェに彼女の父親をお連れする。
風格のある顔つきは健在のようで、さすがの瑛弦も緊張してしまう。
注文した珈琲が運ばれて来て、無意識に視線をそれに固定していると。
「今でも娘に会いたいかい?」
「ッ?!……はいっ、勿論会いたいです!会わせて頂けるのでしょうか?」
取材が落ち着いたら、彼女が祈り続けた王者の座を手土産に、日本に一度行こうと思っていた瑛弦。
「会ってもいいが、……全ての記憶が戻っているわけじゃないんだ」
「……承知してます。自分の事は何も憶えてなくてもいいんです。無事な姿を見れれば、それで…」
「……そうか。その覚悟があるなら…」