シャンパンをかけられたら、御曹司の溺愛がはじまりました
「お茶でも入れましょうか?」
事務所に着いて小木野が言うと、一花はハッと我に返って謝った。
「すみません。私がやります。それに先ほどはお見苦しいところを……」
「いいえ、それはいいのですが、大丈夫ですか? 彼が最近のトラブルの元なんですか?」
気がかりな視線を向けてくる師匠に一花はかぶりを振った。
「違います。彼はトラブルなんかではなく……」
そう言いかけて、なんと説明したらいいのか詰まり、勢いで返した。
「とにかく、もう終わったことなんです! 気にしていただかなくて大丈夫です」
「とてもそのようには見えませんでしたが……」
小木野は納得できない様子だったが、一花はお茶を淹れると言って給湯室に逃げ出した。
ここの給湯室は小木野の趣味で、本格的なティーセットが置いてある。
ティーバッグもあるが、今は気持ちを落ち着けたいので、ポットから淹れることにした。
まずはお湯を沸かしながら、給湯器のお湯でポットとカップを温める。
カップもマイセンやウェッジウッドの花柄のものを揃えてあって、こんなところからも師匠が花を愛しているのがよくわかるなと一花は微笑ましく思った。
ポットに茶葉を入れ、沸騰したお湯を注いで蒸らす。
今日はアッサムティーにした。
時間が経つにつれて、紅茶のいい香りが広がる。
三分計って、最後に紅茶の濃さを整えるため、ポットの中を軽くかき混ぜてからカップに注いだ。
紅茶の淹れ方も師匠に習った。
手順通りに丁寧に紅茶を淹れていると、ささくれだった心がまろやかになってくる。
事務所に着いて小木野が言うと、一花はハッと我に返って謝った。
「すみません。私がやります。それに先ほどはお見苦しいところを……」
「いいえ、それはいいのですが、大丈夫ですか? 彼が最近のトラブルの元なんですか?」
気がかりな視線を向けてくる師匠に一花はかぶりを振った。
「違います。彼はトラブルなんかではなく……」
そう言いかけて、なんと説明したらいいのか詰まり、勢いで返した。
「とにかく、もう終わったことなんです! 気にしていただかなくて大丈夫です」
「とてもそのようには見えませんでしたが……」
小木野は納得できない様子だったが、一花はお茶を淹れると言って給湯室に逃げ出した。
ここの給湯室は小木野の趣味で、本格的なティーセットが置いてある。
ティーバッグもあるが、今は気持ちを落ち着けたいので、ポットから淹れることにした。
まずはお湯を沸かしながら、給湯器のお湯でポットとカップを温める。
カップもマイセンやウェッジウッドの花柄のものを揃えてあって、こんなところからも師匠が花を愛しているのがよくわかるなと一花は微笑ましく思った。
ポットに茶葉を入れ、沸騰したお湯を注いで蒸らす。
今日はアッサムティーにした。
時間が経つにつれて、紅茶のいい香りが広がる。
三分計って、最後に紅茶の濃さを整えるため、ポットの中を軽くかき混ぜてからカップに注いだ。
紅茶の淹れ方も師匠に習った。
手順通りに丁寧に紅茶を淹れていると、ささくれだった心がまろやかになってくる。